ニューヨークに旅行に来たなら楽しみなものの一つに、ミュージカルがあると思います。
今回は、オフ・ブロードウェイという、小劇場で演じられるミュージカルにして人気すぎてチケット割引の裏技が存在しないという、体験型エンターテインメント、「スリープノーモア(Sleep no more)」のご紹介です。
軽いネタバレになるかもしれませんが、これに関しては予習必須。
体力があるうちにニューヨークに訪れる予定があるのなら、このチケットに約$100かけても損はしないはずです。
少し長くなりますが、この記事を読めば手っ取り早く予習は完了です。
ちなみに、ブロードウェイは有名な演目がたくさんあって迷いますが、このほか私は「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」と「シカゴ(Chicago)」を観ました。
どちらも破格で鑑賞できる裏技があるのですが、それはまた今度。
まず、チケットはWebで予約します。
こちらから購入できますが、詳しい説明は他サイトでたくさん載っています。すみません(^-^;
チケット購入のポイントは、
早い時間のチケットを購入
すること。
基本的に毎日3公演あり内容は同じですが、予約時間に入場したら出るまでは館内に滞在できます。
最初の時間に入れば、3公演続けて観ることができるのです。
同じ演目を3回観るなんていかにも飽きそうなセリフですが、
たぶんシーンも演者も毎回変わると思うので、毎回違うものを見ているような新鮮さがあると思います。
実際このミュージカルはリピーターがとても多いようです。
もしそれでも飽きてしまったら、中にバーもありますし。
そして、当日のポイント。
・動きやすい格好で行く。
・できれば眼鏡ではなくコンタクトで(マスク着用必須)。
・クロークに預けるのに$4かかる。
・予習は万全にしていく。
・相方と行っても中に入ると強制的にはぐれる覚悟をしていく。
です。
古いホテル1棟が会場になっていて、中のセットは全て接触可能。
お菓子があったら食べてもいいし、引き出しは開けてもいい。
ただ、演者には触ってはいけません。
このミュージカルは、観客はマスクをもらい自分で見たい演者を追いかけて、それぞれの生活を「アノニマス(見えざる者)」として鑑賞するのです。
ここでさらりと「スリープノーモア(Sleep no more)」の概要をまとめておきましょう。
シェイクスピア作「マクベス」(1606年頃)と
アルフレッド・ヒッチコック監督の映画「レベッカ」(1940年映画公開)をモデルにした物語。
シェークスピアの四大悲劇の中の一つ「マクベス」のあらすじ
舞台はダンカン王が治めるスコットランド。
武将である主人公マクベスとその友人バンクォーは、荒野で出会った3人の魔女から予言される。
マクベスには「いずれ王になる」
バンクォーには「王にはなれないが、子孫が王になる」
というもの。
とんでも野心家のマクベス夫人はことの一部始終を聞くと歓喜し、こうしちゃおれんと言わんばかりに夫を国王にするため、ダンカン王を薬で眠らせ、そのすきに暗殺する計画を企てます。
最初は妻の無謀な計画に若干の不信感があったマクベスですが、妻の度重なる叱咤の中成功する夢を見たことで、その夜、犯行に及びます。
血まみれになった短剣と自身の手を見たマクベスは錯乱し、「マクベスは眠りを殺した。もうマクベスに眠りはない(Sleep no more)」という幻聴を聞きます。
その後も彼は自分の犯してしまった罪の大きさに苛まれ、幻聴と幻覚によって精神が崩壊していくのです。
一方マクベス夫人は、暗殺がバレないよう夫が持っていた短剣を寝室に戻しに行き、死人に口なし、明朝、従者を殺して犯人に仕立て上げましょうと提案します。
どこまでもしたたかな女…
そして、ダンカン王の二人の息子は身の危険を案じ国外に逃げたため、先の戦争でスコットランドを大勝利に導いたマクベスが次の国王となったのです。
こうして、魔女の「マクベスはいずれ王になる」という予言が実現する形となりました。
国王となったマクベスは、「バンクォーは王にはなれないが、子孫が王になる」という魔女たちによるもう一つの予言が気がかりです。
現国王は自分ですから、友人バンクォーの息子が王になるため、次は自分も同じように寝込みを襲われ暗殺されるのではないか、とさらに彼は眠れない日々を過ごすこととなります。
そして、バンクォーとその息子フリーアンスに暗殺者を放ちますが、息子に逃げられてしまったマクベスは精神崩壊寸前。
宴会の席で殺したバンクォーの亡霊を見るのです。
とまぁ、スリープ・ノー・モアに行ってから思いましたが、元ネタになっている「マクベス」のザックリあらすじはこのくらいの予習は最低限して行ったほうが良さそうです。
アルフレッド・ヒッチコック監督「レベッカ」のあらすじ
主人公「わたし」(最後まで名前は語られない)は大金持ちのマキシムと出会い、結婚。
マキシムにはかつて、ヨット事故で亡くなってしまったレベッカという妻がいましたが、「わたし」はマンダレイにある彼の大豪邸に住むことを決意します。
しかしそこにいた前妻レベッカを崇拝する使用人のボスであるダンヴァース夫人は、庶民であった「わたし」を良く思わず、彼女に辛くあたります。
どうにかしてダンヴァース夫人に認めてもらいたい「わたし」は仮面舞踏会を企画しますが、ダンヴァース夫人にそそのかされて着たレベッカのドレスを見て、マキシムは激怒。
悲しみに暮れる「わたし」にダンヴァース夫人は、「わたし」はレベッカに勝てない、この先レベッカより愛されることはないと「わたし」を追い詰め、窓から飛び降りるように指示するのです。
錯乱した「わたし」はダンヴァース夫人に言われるがまま窓に立ち。。。
こちらに関しては、あらすじというより世界観がスリープ・ノー・モアのモデルになっているのかなという個人的な印象。
建物やインテリア、時代設定もそうですが、登場人物それぞれの「死」との絡みも参考になっているのかもしれません。
ここまでが、スリープ・ノー・モアのモデルになっている2作品のあらすじです。
私は2作とも予習がてらスマホで映画を観ました。
時代や国の文化が違う分若干難しいのですが、よく作りこまれていて普通に楽しめる物語でした。
スリープ・ノー・モアには、セリフがありません。
自ら出くわした全速力で走り回る演者を追いかけて、「多分あの人のあのシーンだ」とわからないと楽しめないので、来ている人はみんなこの2作(最低でも「マクベス」のあらすじ)を知っている前提なのだと思います。
やっと当日のお話。
ここまでは絶対押さえておくべきポイントだったので、長々綴ってしまいました。
さて、会場となるのはチェルシーにある「マッキトリックホテル(The McKittrick Hotel)」。
6階建てのこの建物は、1939年当時ニューヨークで最も美しく豪華なホテルとして完成したのですが、第二次世界大戦の勃発により結局オープンすることがなかった幻のホテルなのです。
スリープノーモア(Sleep no more)ではこの建物1棟が会場となっており、自分の足で物語の観たいシーンを観るのです。
さて、私はくしくも20時からのチケット。
ホテルのルーフトップバーで一杯飲んだ後、19時半くらいにホテルの前につくと長蛇の列!

この画像は入口。
ルーフトップバーに行く前に撮りました。
この時はまだ誰も並んでいなかったので、油断した。。。
入場前に、手にスタンプを押してもらいます。
クラブのエントランスみたい。

ホテルのロゴです。
私は手が小っちゃいので、うまく押してもらえず。残念。

入場すると、中は真っ暗!
ホテルの受付のようなところで名前を言ってチェックインです。
怪しげなトランプカードをもらうのですが、これがどうやらチケットのようなものみたいです。
もう物語は始まっています。
$4で荷物を預け、前の人に続いてこれまた真っ暗な階段を上ります。

良く見えませんが、踊り場の階段のショーケース。
どこまでも不気味です。
階段を登って着いたのは、「マンダレイバー(manderley-bar)」。

バーカウンターが赤く照らされています。
ここが待合室のようなものなので、自分のトランプの番号が呼ばれるまで、しばし休憩。

番号が呼ばれるとマスクをもらい、同じタイミングで入る人たちと一緒に説明を受けます。

ちなみにこのマスクは持ち帰ることができます。
この画像は終わってから家に帰って撮ったので、おでこのところに血のりが付いています。
ベタっとしてなんじゃこりゃああ!と思ったのですが、よく考えたら途中なんか飛んできたわと思いだしました。
それもいい思い出です。
さて、入場したらマスクをしている人が観客。
なのでマスクは絶対に外してはいけません。
おしゃべりも禁止です。
案内人の妖艶なスタッフのお姉さんも演者でしょうか。
かなり雰囲気があります。
そして、エレベーターで降ろされた階に観客はまばら。
この時点では、あんなに予習したのに何が何だかわかりません。
そうして15分前後演者に会わなかった気がする。(笑)
仕方がないので6階までのホテルの部屋を見て回り、引き出しを開けたりして物語の世界をしばし堪能します。
でもあまりにも演者に会わないので、私は本当にここにいていいのかと、少々不安になってきました。
しかもこの廃墟の中基本真っ暗で間接照明ばかりなので、だんだん怖くなってきました。。。
と、その時‼‼
急に後ろからすごい勢いで走り去って行った、マスクをしていない人間‼‼
そしてそれに続いてそれをこれまた全速力で追いかけるアノニマス(見えざる者=観客)たち‼‼‼
突然の出来事であっけにとられて見失ってしまったのですが、今物語はその辺で進んでいるらしく、その後はぽつぽつ演者を見つけることができました!
このミュージカルは、主人公以外の演者もそれぞれの場面でそれぞれが生きている設定なので、誰も見ていなくても演技が行われていたりします。
このミュージカルは3回連続公演で20時入場の私は外に出なければ2回は観られるはずなので、先ほど走り去っていったたぶん主人公っぽい人は諦めていろんな部屋で演じられている脇役の演技を観ていました。
突然喧嘩を始めたり、シャワールームでイチャイチャしていたり、ほんとに生きて生活しているキャラクターを見ているかのようです。
広い空間の真ん中にバスタブとベットがあるところで踊っていた(?)女性の演者を見ていると、これまた突然全速力で入ってきた血だらけの演者‼
キターーーーー(゚∀゚)ーーーーーーーー!!!!!
これ絶対主人公のマクベスと、奥さんのマクベス夫人じゃないですか‼‼‼
めっちゃラッキー‼‼
先にここにいたところに主人公が入ってきたから、そのあとぞろぞろ追いかけて集まってきた観客の一番前です。
そして、血だらけになったマクベスの手を、夫人が慰めながら洗い流すシーン!!!
そしてマクベス突然の全裸‼‼‼‼(笑)(笑)(笑)
彫刻のような完璧な体。。。なんというかもう、このヌードはアートです。。。
夫人も薄いベールみたいな布一枚で、歓喜と絶望が入り混じる力強い二人のコラボダンス。
こんな1,2m先に観客がいるこの空間で、めちゃくちゃアクロバットです。
同じ人間とは思えないほど大きく見えて、迫力満点!!
あぁ。。。あの力強い腕に、私も抱かれてみたいわぁ。。。
とまあ妄想は置いといて、追いかけているうちに消えてしまったかのように見失ってしましました。。。なんで??
そしてまたうろうろしてたら急に出くわしたのが、ベットの上で殺しあう二人の演者。
羽毛の羽が盛大に飛び散って、くびをしめられた一人が動かなくなってしまします。
主人公、キターーーーー(゚∀゚)ーーーーーーーー!!!!! (2回目)
今度は最終公演なので、主人公を見逃すわけにはいきません。
全速力で主人公を追いかけます。
これがまた、早い早い。
一番前を陣取って観ていてもすぐに逆側に走り出すので、ぼーっとしてたらすぐに人だかりの最後尾です。
小柄な私は人をかき分けて、なんとか部屋に入るたび一番前へ、もう一生見れないであろうこの時間をどん欲に堪能します。
それにしても、走るのが早い。。。
観客も、100m走かってくらい必死です。
私は別に運動音痴ではありませんが、なんせ運動不足。
明日以降の筋肉痛は必至です。
そりゃ歩きやすい靴でお越しくださいってメールくるわこれ。
マスクの中も群れるしめっちゃ汗かきます。。。
そして、もう一つ印象的だった、ダンスホールのシーン。
一つ前の公演で舞踏会を見たスペースです。
そちらも演者が揃う圧巻のダンスシーンときらびやかな衣装で素晴らしかったですが、今度は様子が違います。
民族衣装のようなものを着て、不気味なお面を付けた3人の演者が急に踊りだしたかと思うと、急にストロボライト発動!!!
後で調べたら魔女の予言のシーンだったのですが、
人も密集してるし、なんかもうクラブ状態((+_+))
途中びちゃっと何かが飛んできたので、たぶんこれが血のりだったみたいです。
強すぎるカラフルなライトと暗闇で目がチカチカして、一昔前のポケモンのアニメで気分が悪くなったというニュースを思い出しました。
魔女もテンション上がって暗闇をいいことに服すら着てるかどうかわからない状態になり、しばらくするとまたマクベスが動きます。
荒々しいダンス中に近づき過ぎた私、ぶっ飛ばされてしましました。(笑)
こっちに来そうだからよけようと思ったら、接近してた後ろの人に引っかかったのです。
すると、
こちらに走ってきた主人公マクベスが、転んだ私を抱きかかえて起こしてくれたのです‼‼‼
しかも「Are you OK?」って言った‼‼‼‼‼
数十分前に「あぁ。。。あの力強い腕に、私も抱かれてみたいわぁ。。。」って思ってた夢が瞬殺で叶いました。
丸太のように硬くて太い腕でした。。。!
この興奮で漫画盛りごはん8杯と海賊用骨付き肉6皿食べられるような気がします。
そしてそのあとまた見失ってしましまうのですが、最終公演の最後のシーンでまたダンスホールに集められます。
集められたわけではないのですが、なぜかみんなここにいます。
不思議。
やっていたのは宴会のシーン。
ライトが付いたり消えたりして、スローモーションのように見える演出です。
そして物語は終わりを迎えるのですが、それが超絶衝撃的なラスト。。。。。
さすがにここは実際に見てみてください。
そうして、最終公演が終わったら、最初のバーに出ます。
出たときには生演奏が行われ、ミュージックバーになっていました。
人もぎゅうぎゅうで大盛り上がり。





ジャズもロックもデュエットも、何でもあアリです。
夜も更けてきて、会場の熱気は最高潮に。
セクシャル系も始まります。




この人のは司会進行のお姉さん。
彼女のしゃべりで会場がすごく盛り上がっていました。
最後に歌っていたので、この人もジャズシンガーか何かかな?

この曲は、ニューヨーク滞在中、いたるところで耳にしました。
M.I.A. 「Paper Planes」
流行ってるのか?と思ったけど、最近の曲でもなさそうな。。。?
普段音楽聞かないけれど、耳残りが良くて好きな曲です。

最後に外の看板の前でパシャリ。
帰りが結構遅くなります。
私はタクシーには乗らない主義ですが、なかなかバスが来ない。
予定が変わって終バスが終わったのか?
へとへとの中、どうにか人に聞きまくって中心部のほうまで出られる電車に乗れました。
とにかく今日の$100は大満足。
ほんとに観て良かったです。
予習とか結構面倒だと思いますが、価値のある時間。
私はニューヨークに行く予定の人にどこか1か所進めるとしたら、間違いなくこのミュージカルを一番にお伝えします。
ここでしかできない体験を、是非楽しんでください。
| 施設名 | スリープノーモア(Sleep no more) マッキトリックホテル(The McKittrick Hotel)内 |
| 住所 | 530 W 27th St, New York, NY 10001 アメリカ合衆国 |
| TEL | +12129041883 |
| URL | https://mckittrickhotel.com/sleep-no-more/ |

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